コラム

2010/3

長寿社会における人生設計~国際協力コンサルタントの薦め

一般の職業人にとって、企業から退職すると間もなくこの世を去ることが出来た幸福な?短命な時代は去り、現代は、「就活」で奮闘して入社した職場も目まぐるしく変わり、更に退職に漕ぎ着けた後の人生が長期化する長寿社会に移行している。 それだけに若年層、中堅層、中年層、或いは高齢層と、それぞれの段階で、人生設計について悩み多き時代を迎えているといえよう。特に、団塊の世代といわれる高齢者の仲間入りをしたばかりの世代にとって、退職、年金生活、趣味の生活、ゲートボール、デイケア施設、老人ホーム・・・といった展望だけでは、言いがたい不足感に襲われるのは、私だけではなかろう。長寿社会における人生設計において、その空虚感を元気に変えるものは何なのだろうか?

今から20年前の私事で恐縮だが、英国に転勤となり、子供の転学先となったロンドン郊外にある音楽学校の校長室を訪ずれた時、次のような校訓が眼に飛び込んできた。“ 音楽は国、人種、宗教、言語、文化の違いを超越する。献身と持続的関与を(Dedication & Commitment) !”“時空を超えたミッションへの持続的献身”という生き様が見事に凝縮されているのに感動したのを覚えている。

その後数年を経て、停年を迎え、第二の職場において国際協力業務のコンサルタントとして従事する機会が与えられた。1995年、わが国政府がJICAを通じて実施した「ベトナム総合政策支援調査」である。従来のハード型インフラ系コンサルテイングに対して、経済・金融・産業政策などの「ソフト型知的国際協力」は、外務省等が後押しをすることによって実現し、その後、モンゴル、ミャンマーでも従事する機会を得た。図らずも、国際協力という“時空を超えたミッションへの持続的献身”を実践し続ける機会を得、その現場を通して元気を授かっているのを実感している。

幸いに、国際協力業務のコンサルタントの世界は、専門家として評価される基準が明確で(①類似業務経験、②当該地域・国での経験、③JICAその他国際機関に対する業務経験)、実績を積めば積むほど、業務のチャンスも増加する、という好循環が期待できる。「持続的献身は力成り」である。これまでに蓄積した実務経験・ノウハウをもとに、新興国との知的交流にコミットメントを希望される方々には素晴らしいチャンスが控えている。

関屋 宏彦
国際局
専門:開発金融、市場経済化支援


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