コラム

2010/7

世界のインフラ需要は4000兆円

昨年米国の金融機関モルガン・スタンレーグループがリリースしたレポートによると、2030年までに世界のインフラ構築・修復に必要な資金は4000兆円に達するそうです。非常に単純に考えて今から2030年までの20年で割ると年間200兆円になります。 新興国の都市化(=分散している人口が仕事を求めるなどの理由で都市部に集中していくことを指します)によって増加する交通量や電力需要、水道需要を充足させるために必要な額に加え、先進国のインフラ設備更新需要がこの金額を構成しています。

これは日本企業にとって大きな活路だと思います。

日本はかつてものづくり大国として海外に様々な商品を供給してきました。今はものづくりは世界のいろいろな国の人たちが意欲的に技術を学んだ結果日本の地位はかすみつつあります。海外に滞在するとほとんど日本以外のアジア主要国の製品ばかりが導入されています。これは新興国などでは自動車や電気製品に対して「高い品質高い値段」よりも「程ほどの品質で買える値段」の製品で良い、という人が多いからかもしれません。

一方で、日本の工業化と近代化を支えたインフラ技術、とりわけプラント技術と交通システムは真似だけでは技術が移転されにくい、長い時間をかけて導き出された繊細なノウハウが不可欠な分野だと思います。水道も凡そ日本にある上水道の蛇口から飲む水でお腹をこわす確率は、経験上世界的に最低水準と考えられます。

よく日本のインフラ技術の最大の弱点はアピール下手なところだと言われます。売り込み方をもっと戦略的にし、チームワークで売り込むことで「世界が認める日本の技術」のブランドが復権するかもしれません。これからの日本の「ものづくり」には金融機能と情報機能の2本のレールが必要なのだと思います。

八木田聖三
ソリューション局
主任研究員


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