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2010/12

軽く2000年代を振り返る

先日、ソウルで行なわれたサッカー日韓戦を偶然現地で観戦する機会があった。ソウルでは2003年4月以来、7年半ぶりの日韓戦だったが、場所は前回と同じくワールドカップ競技場で、2002年の日韓W杯で使用された会場の1つである。2002年や2003年というのは随分昔のような気もするが、2003年のその当時はアジアでSARSが発生しており、前回も現地で観戦する機会があったが、当時の日本代表の選手はマスクを着用して韓国入りしている。今回は少々時間があったので、スタジアムに併設されているモールを見て回った。スタジアムにフィットネス施設があるのは違和感はないが、喫茶店や飲食店以外に、映画館、スーパーもある。ここまでくれば、普通にあるモールとそれほどは変わらない。スタジアムである必要性も特になく、ましてやW杯の開幕戦で前回優勝のフランスがいきなり躓いたとか、準決勝で地元の韓国がドイツに負けたとか、そういったスタジアムの歴史はあまり関係ないような気もしてくるが、それはそれでいいのかもしれない。スポーツをする環境、スポーツを見る環境としての機能を活用したり、スタジアムの来場者向けにモールを展開しているというのももちろんあるだろうが、それ以上に、シンプルに、立地やアクセスを活用しているといったところかもしれない。

一般的に、国内の箱物の活用はなかなか苦労しているような印象がある。補助金を活用している場合の用途変更・商用利用や都市公園法など、それなりに制約や制限もありそうだ。また、私が以前ボランティアをしていたスタジアムは、都市に近接しているもののアクセスがやや悪く、使用料が高くて地元のトップチームはあまり使わない、地元の中学生や高校生は利用できるが(これはこれでいいことだと思うが)、使用料はあまり取れない、コンサートを開催することは出来るが集客力のあるものとなるとせいぜい年に数回ぐらい(年によっては0)しかできない、代表戦を誘致もできるが毎年はできない等々もあり、維持・運用はかなり難しそうな気がしていた。

個人的には、種々の環境や周辺のアクセスが整備されていくのは歓迎である。「無駄なものは削減すべき」というのは特に異論があるわけではないが、どちらかと言えば、「無駄だから削減する」と決めてしまうよりは、投資が無駄にならないように如何に活用するかに知恵を絞るのが、しかるべき地位にいる人々の本来の役割かと思う。先日の試合でのパフォーマンスは、今年に入って既に2連敗をしてしまった国相手とは思えないような、なかなかのものだった。偶然とはいえ、見に来た甲斐があった。いいパフォーマンスをしてもらおうと思えば、やはりそれなりの環境も必要になるだろう。2018年、2022年のサッカーW杯の開催地がどこになったかは今この時点では言及できないが、既に2019年のラグビーW杯の国内開催が決まっている。公共施設の運営については、民間事業者による、より自由度の高い運営も既に検討されているとも聞く。同じ轍は踏まず、既存インフラを含めて有効に活用されていくことを期待したいと思う。

ソリューション局
主任研究員
分部 隆夫


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