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2011/04

PFI法施行から12年~公民連携の未来~

1999年9月にPrivate Finance Initiative(PFI)法が施行されて今年で12年目を迎えます。
内閣府PFI推進室によると、全国のPFI事業は375件(2010年12月31日現在)、そのうち72.5%にあたる272件がサービスの提供を開始しています。筆者はPFI法施行時から携わっていますが、この10年で約6,600億円のコスト削減効果があり、案件によりますが、約100ページにも及ぶ事業契約書を官と民で締結する等契約社会への移行につながった点を勘案すると、一定の評価が出来ると思われます。
2011年3月に閣議決定されたPFI法一部改正案のポイントは①PFIの対象施設の拡大(賃貸住宅、船舶・航空機・人工衛星等を追加)、②民間事業者による提案制度の導入(民間事業者もPFI事業を計画し、行政に対して提案できる)、③コンセッション方式の導入(サービス内容・施設の利用料金を民間事業者が決定。民間事業者は公共施設を運営する権利を取得することができる)等になっています。現政権の新成長戦略ではPFI事業規模を2020年までに少なくとも10兆円以上(従来の事業規模の2倍以上)の拡大を目指すとしています。
今後は、従来は開放されていなかった分野へ民間事業者が進出することが可能となり、また、民間事業者の自由度の余地が増えることが予想されます。一方、この10年間で欠如していたと思われる投資家の視点については、運営会社の株式の取得やインフラファンドの創設により、多くの投資家が日本の市場に投資をしていく環境が整備されていくことが考えられます。新たな金融商品が販売されるようになれば、金融市場の活性化にもつながるでしょう。投資は市場を大きく変える可能性を秘めていると思われますので、今後の動向に注目したいと思います。
財務省によると我が国の長期債務残高は国と地方を合わせて約800兆円と試算されています。政権はどうあれ、我が国が財政難であることに変わりはなく、PFIという一つの手法を社会システムへと転換していけるかどうかが重要なカギとなるでしょう。

生田美樹
パブリック調査グループ
専門:地域振興、PPP


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