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2014/06

バングラデシュってどんな国?


ケーブルが巻きついている電柱

今年は縁あって、バングラデシュで仕事をする機会に恵まれました。「バングラデシュって、国旗のデザインが日本とよく似ている国だよね?」バングラデシュへ行くという話を周囲にすると、たいていこう言われます。みなさんがバングラデシュといって思いつくものは何でしょうか。

バングラデシュはインドとミャンマーと国境を接するアジアの国です。緑の地に赤い円が描かれた国旗を見たことがある人は多いのではないでしょうか。日本の4割ほどの大きさの国土に、日本の人口のおよそ1.3倍、約1.5億人が暮らしています。人々はインド人に近い風貌ですが、バングラデシュの国語であるベンガル語を話し、独自の文字で読み書きします。国民のおよそ9割がイスラム教徒というところもインドと大きく違います。主食は米で、食事は多くの人がほぼ毎食カレーを食べるそうです。また、農村の貧困層への小口金融(マイクロファイナンス)を始めたグラミン銀行創設者で、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏は、この国の出身です。

バングラデシュの首都、ダッカへ来て驚いたのは街の景色でした。車道は常に渋滞し、リキシャ(人力車の自転車版)やCNG(自動三輪タクシー)が自動車と同じ車線に入り込み、前後左右の車間を埋めてさらに大渋滞になることもしばしばです。渋滞で停車中の自動車に近づき窓ガラスをたたいて金銭を要求する、いわゆる「物乞い」をする人に遭遇することも日常の風景です。電柱に目をやると電線(通信ケーブル)が幾重にも巻きついて重たそうに垂れ下がっています。国旗のデザインは日本と似ていても、景色は日本と大きく違っていました。

そんなバングラデシュは、今後の経済成長が期待される国です。主力産業の衣料・縫製業は輸出品目の約8割を占め、最近では日本を含む世界中の有名アパレルメーカーの服の製造を数多く担っています。日本でも衣料品のタグに”Made in Bangladesh”の文字を目にする機会が増えた気がします。また、日本ではあまり知られていませんが、バングラデシュにはバングラデシュブランドの家電メーカーが育っています。日本の家電とはひと味違う、カラフルな冷蔵庫やエアコンを目にしたら、それはバングラデシュのメーカーが製造したものかもしれません。さらに、あるバングラデシュの大手家電メーカーが製造している家電はすでに全て省エネ仕様になっているというから驚きです。出張先で出会うバングラデシュの人々の明るい人柄とまじめな仕事ぶりを見ていると、アジア開発銀行の「2022年ごろには貧困を脱し、中所得国(※)の仲間入りを果たす」という予想は現実のものになるのでは、と思います。

これからの発展が楽しみな国です。

(※)中所得国 … 世界銀行の定義で一人当たり国民総所得(GNI)が1,036ドル~12,615ドルの国を指す。アジアではインド、インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、中国、マレーシアなど。
(文中の統計情報は外務省webサイト「バングラデシュ基礎情報」を参照した。)



ダッカの街の様子1

ダッカの街の様子2


佐藤 美由紀
国際本部 国際第二部
研究員


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