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2015/01

都市国家「シンガポール」


マーライオンとマリーナ・ベイ・サンズ


ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの沖合で
待機する船舶


近代的な建物と調和する植林

先日、シンガポールへ行く機会があった。シンガポールは東京23区程の小さな島で、他民族の都市国家である。
中華、マレー、インド、アラブなどの多様な文化に接することができる。シンガポールといえば「マーライオン」程度の知識しかなかった私であるが、国が積極的に外資誘致を行っているなど、東南アジアのハブとしてビジネスの面で大きく注目され、また、「マリーナ・ベイ・サンズ」や「リゾートワールドセントーサ」といった新名所が次々とオープンするなど観光の面でも大きく注目されているようである。

まず、最初に驚いたのは、港湾の沖合に停泊している船舶(コンテナ船等)の数の多さである。港湾に入りきれず至る所に船舶が停泊して順番を待っている。同国の港湾はコンテナ貨物取扱量で上海に次ぐ世界第2位であり、日本の港湾物流との圧倒的な差に驚かされた。

そして次に驚かされたのが、街中の植生である。同国は赤道直下の熱帯雨林気候に属していることから、原色の花が咲き乱れ、椰子や葉を大きく広げる木々の青々とした緑はほんとうにきれいであった。しかし、何か違和感を覚えた。そこには、青々と茂る植物に群がるはずの昆虫が全くいないのである。花の蜜を吸う蝶、木々の葉や実を食べる昆虫、地面を這う蟻など、身近な昆虫たちがいない。外見はしっかりと手入れされ、美しい木々や花々であるが、どこか人工的に創り出された不自然ささえ覚えた。聞くところによると、定期的に殺虫剤を散布しており、毎日どこかで白い煙が立ち上っているほど大量の殺虫剤が散布されているらしい。

街中は近代的な高層ビルが林立しており、世界各国の有名な建築の作品も多く存在する。そこにうまく緑が使われており、自然の豊かさを感じることもできる。しかしそういった美しい風景も人工的に創り出されたものであり、人間によって徹底的に管理されているものだからこそ、とも感じた。


髙畑 俊夫
ソリューション本部
副主任研究員


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