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2015/11

足元にある可能性

国内で様々議論を巻き起こしてきた環太平洋経済連携協定(TPP)が先日大筋合意した。これまで、特に農業分野での影響が取り挙げられ、行く末が懸念されている。

去年度、女性農業者の先進的な取り組みを調査する機会を得た。その一つが、農林水産省が中心となって運営されている「農業女子プロジェクト」だ。ここに集まる女性農業者は、他地域の農業者や他分野(農業関連以外の企業)とのつながることによって、商品開発や独自の勉強会など幅広い活動を展開している。

調査を進める中で、特に心に残ったのは、彼女たちは足元の課題に真摯に向き合っている姿勢であった。働くことと生活することがつながっており、農家としての専門性と「あったら良いな」といった生活者としての感覚をつきつめ、そこからビジネスを構築することを試みている。例えば、新しいエネルギー開発や中小規模ロット数の物流システムなどがある。とかく、地域での新しい取り組みは、理念が先行しがちで、経済的自立や持続性に課題があることが指摘されるが、同業者だけでなく、行政や地元企業との連携によって実現されようとしている。

世界的な大きな流れに、一喜一憂しがちだが、足元に目を向けると、様々な可能性が満ちていると感じた貴重な体験だった。




永島 千恵
社会インフラ本部
公共マネジメント部
副主任研究員


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