コラム

バックナンバー

2016/01

日本の魅力再発見

日本の魅力再発見 平成27年3月14日、北陸新幹線の長野‐金沢間が延伸開業した。東京駅から金沢までの所要時間は、これまで3時間50分程度であったが、開業後は2時間28分と、約1時間20分の時間短縮効果となっている。関東地方からのアクセスが大幅に改善されたことで、北陸地方への観光客は増加している。海外の方からの注目度も高く、ロンリープラネット社i が公表した「Best in Travel 2014」では、北陸(金沢)が4位にランクインしている。記事によれば、「文化や歴史、美しい自然があるにもかかわらず、これまであまり注目されてこなかった地域」と評価されている。
実際、開業から半年間の北陸新幹線の利用者数は約482万人で、前年同期の在来線特急利用者数の約3倍となっているそうだii 。出張や旅行で現地を訪れると、特に金沢駅周辺は以前に増して賑やかである。
また、観光客の増加だけでなく、豊富な資源を有し、自然災害のリスクが低いこと、そして、もともと、ものづくりやライフサイエンス関係の集積地であることから、企業誘致にも成功し始めている。YKKグループが本社機能の一部を富山県黒部市に移転、ユースキン製薬も生産機能を富山県に移転した。他にも、いくつか企業移転の動きが見られている。

一方で、新幹線の開業により、富山県と関西地方をつないでいた在来線「サンダーバード」の金沢‐富山間の運行がなくなっており、富山県民からすれば関西地方へのアクセスが不便になったという声や、金沢まで通勤で利用していた人の利便性が低下しているという声もある。さらに、新幹線の利用者の増加に伴い、小松空港や富山きときと空港の利用者数は、大幅に減少している。航空会社は、運航機の小型化で需要減に対応したり、県は空港の駐車場料金や空港バスの運賃補助、レンタカー利用補助をはじめ、利用促進に向けた取組みを行ったりすることで、空港の利用維持を図っている。

これまで旅行といえば、比較的海外に目が向いていた私であるが、北陸地域をはじめ、会津地域といった地方都市と関わる仕事に昨年から何件か携わる中、その素晴らしさと魅力を改めて感じている。訪れる度に素晴らしさに気づき、美味しい食や日本酒に出会っている。
7年後(2022年)には福井県敦賀までの北陸新幹線の延伸開業が予定されており、これからの北陸地域の動向はますます気になる。


i  英語版の旅行ガイドブックでトップシェアを誇る出版社。毎年、“Best in Travel”を公表。
ii JR西日本“9月定例記者会見”2015年9月16日



平島佳奈
社会インフラ本部
インフラ部
研究員


バックナンバー


ページトップへ