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令和4年度子ども・子育て支援調査研究事業 教育・保育施設における事故に至らなかった事例の収集・共有等に関する調査研究

このたび株式会社日本経済研究所は、令和4年度子ども・子育て支援調査研究事業の国庫補助を受けて下記の事業を実施しました。調査にご協力くださった有識者の先生方、教育・保育団体及び地方公共団体の方々に感謝を申し上げるとともに、ここに報告書を掲載します。

令和4年度子ども・子育て支援調査研究事業
教育・保育施設における事故に至らなかった事例の収集・共有等に関する調査研究

  1. 事業目的
     教育・保育施設等におけるいわゆる「ヒヤリ・ハット事例」のうち、命の危険につながりかねないような事例が行政や他の施設と共有されることは、事故防止を図る上で重要である。死亡や重大事故(治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等)については、施設から自治体を通じて国に報告を求めているところ、ヒヤリ・ハット事例については、どのように事例を収集・共有すればよいのかその方法について有識者や認定こども園や幼稚園、保育所の各団体(以下「教育・保育団体」)、事例の収集を先行的に行っている地方公共団体(以下「先行自治体」)のご協力を得て、検討を行う。併せて、上記の各団体のご協力のもと実際に発生したヒヤリ・ハット事例を収集し、事例集としてとりまとめる。

  2. 事業概要
     有識者や教育・保育団体及び先行自治体を構成員とする「意見交換の場」を開催し、ヒヤリ・ハット事例の収集・共有を効果的に行うための手法についてまとめるとともに、これらの団体のご協力のもと事例を収集し、ヒヤリ・ハット事例集としてとりまとめた。

  3. 事業実施結果及び効果
    (1)効果的な事例収集・共有の方法の検討について
    検討の過程での議論の概要は、以下のとおりであった。
    〇共通認識
    事例が共有されることは、責任追及のためではなく、事故予防のほか、職員が安心して保育に当たれるため、そして、こどもが安心して遊べるために必要。
    〇各施設に求められる取組
    施設内における自主的な報告と共有を促進すること。またそのために効率的な報告・記録方法を工夫すること(好事例を参考に簡単に報告できる様式を用意するなど)。
    〇教育・保育団体に求められる取組
    団体の自主的な取組として会員施設から事例収集を行うこと(安全管理研修の場などを活用することも有効)。
    〇自治体に求められる取組
    自治体が各施設に提供を求めるに当たっては、その頻度や量、方法について、引続き現場への十分な配慮が求められる。

    (2)分かりやすい事例集の作成
    〇今回の収集の範囲
    重大事故が多いと言われている食事中、睡眠中、水遊び中などは、これまでも度重なる注意喚起により、危険に対する認識がある程度定着している。そのため、送迎バスでの置き去りによる死亡事故が相次いで発生したことを踏まえ、今回のヒヤリ・ハット事例集では「こどもの所在や行動を把握できなくなった事例」を中心に収集、掲載した。
    〇掲載事例の概要
    送迎バスへの置き去りや園外活動中の見失い等の事例のほか、以下のような事例を掲載。これらを場面ごとに整理しつつ、場面ごとの傾向や共通の注意事項について分析するとともに、医療分野の取組を参考に、リスクに応じた分類を試行的に行った。

本事業の取組が、教育・保育分野における事故予防にかかる気づきや対策の一助となれれば幸いである。

本件に関するお問い合わせ

公共デザイン本部 医療・福祉チーム

TEL:03-6214-4613